AIに負けないために、セラピストとして生きていく

働き方あるある

「セラピスト」とは

心や体の不調を改善・緩和するために、専門的な知識と技術を用いて人を支援する職業・役割の総称。セラピストにはさまざまな種類があり、その分野によって取り扱う問題やアプローチが異なります。ここではリラクゼーション(身体の緊張や疲労を緩和する)を目的とした「身体的セラピスト」(ボディセラピスト)として考えていきます。

「セラピストになろう」と思ったのは、34歳のときでした。
それまで全く違う仕事をしていて、手に職もない、資格もない。
でも心のどこかで、ずっとモヤモヤしていたんです。「このままで、人生終わっていいのかな?」って。

ある日、揉みほぐしのお店で受けた施術がとても心地よくて、
「私も、こうやって誰かの体と心を楽にできたらいいな」と思ったのが、最初の一歩でした。

世の中は「AIに仕事を奪われる」話でざわついてる

最近、本当に多いですよね。「10年後には〇〇の仕事がなくなる」「AIに取って代わられる」みたいな記事。

少し調べたらこんなにありました↓


正直、ちょっと怖くなるときもあります。
マッサージチェアも進化してるし、自動施術マシンなんてのも出てきてるし。

でも、自分の手で、目の前の人の体に触れて、その日の疲れやコリを感じ取って、その人に合わせて力加減を変えて……
そういう細やかな対応って、まだまだ機械には難しいと思うんです。

セラピストの強みって、けっこう多い

この仕事をしていて、「これは人間にしかできないな」と思うことがたくさんあります。

身一つで、誰かの力になれる

たとえば、災害ボランティア。
実際に、震災の現場にボランティアとして行ったことがあります。
道具も設備もない中で、できたことは避難所にいる被災者の方の肩を揉んだだけ。それでも「ありがとうね」って涙を流しながら感謝されました。

災害そのものには無力ですが、施術で誰かを支える力になれます。

マッサージチェアが超えられない“手の感覚”

どんなに高性能なマッサージチェアでも、「その日の、その人の、今この瞬間」にぴったり合った圧やスピード、呼吸のリズムまでは読めません。
人の手って、体温もあるし、気持ちも伝わる。
とくに、「触れてもらえること」に安心する人は本当に多いんですよね。

マッサージチェアを買ったお客様は口を揃えて「人間が良い」といってるぐらいなので、AIがセラピストを超える施術ができる日はほぼ来ないと思います。

出会いと学びが広がる仕事

この仕事、接客も大事です。
毎日いろんな人と話す中で、新しい考え方を知れたり、自分の視野が広がったりすることも多く、私の場合はお客様に褒められたり、叱られたりしながら成長しています。
たとえば、お客様との何気ない会話から、栄養や睡眠、働き方について勉強するきっかけをもらうこともあるんです。もちろん、いつで最高の施術ができるように生活にも気を配っています。

人と関わることで、自分も成長できる。
これも、この仕事の大きな魅力だと思っています。

無資格でも始められるけど、「覚悟」が必要

正直、この仕事は「誰でも始められる」けれど、「誰でも続けられる」わけじゃない。そもそも資格がなくてもできる分、ライバルは多い。研修も辛い。最初は指が痛くて泣きそうになったし、お客様からクレームが来たときは自分が情けなくなったこともあります。業務委託としてチェーン店で働く場合だとオーナーや店長次第で天国にも地獄にもなります。自分の店なら予約が入らなくて売上が出ず、請求書とにらめっこする日もあります。

それでもお客様から「ありがとう。体が軽くなった」「リラックスできた」「また来ます」 
って言われたとき、「この仕事を選んでよかった」と心から思えました。

AIがどう進化しても、「人間にしかできないこと」がある

AIにできることは、これからどんどん増えていくと思います。
でも、「人の気持ちを感じ取る」「言葉にならない不安を汲み取る」「手のぬくもりで安心させる」
そういうことは、これからも人間にしかできないと思うんです。

私はこの手で、たくさんの体に触れて、たくさんの声を聞いてきました。
だからこそ思います。

セラピストって、思っている以上に“人間らしい”仕事です。


もし今、AIの話題に押されて「この先どうなるんだろう…」って不安になっている人がいたら。
私はこう伝えたいです。

人にしかできないことを、人らしくやっていけば、大丈夫。

私もまだまだ勉強中ですが、今日も目の前のお客様のために、心を込めてこの手を動かしています。
それが、私なりの“AIに負けない生き方”です。

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